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私とロシア Я и россия

東京ロシア語学院の学生です。

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おろしや国粋夢譚

今週は、おろしや国粋夢譚を借りてきました。



おろしや国粋夢譚、1992年に映画化もされており、お父さん世代はご存知の方も多い作品です。歴史の変動は多々ありますが、執筆当時、大黒屋光太夫は帰国後、幕府によって幽閉されていたとされていますが、現在では史実と異なることが判明しています。おーい竜馬!のお栄姉さんのようですね。ロシアでのエピソードよりアムチトカ島での暮らしを読むが楽しみです。

私がもう10〜15回くらいは読み返している「風雲児たち」という漫画があります。みなもと太郎・著の歴史ギャグ漫画で、私の歴史好きはこの本がバイブルです。その風雲児たちで知った大黒屋光太夫にとても興味を持ったためロシア語を学び始めるに至った訳なのですが、このおろしや国粋夢譚は歴史書として読むのではなく、大黒屋光太夫を「モデル」とした作品として読んでみたいと思います。ちなみに吉村昭の書いた大黒屋光太夫も読みました。

大黒屋と言う屋号で呼ばれていたことからも分かる通り、光太夫は商人の子ですが裕福だったようで子どもの頃にちゃんと学問を身につけています。伊勢(三重県)から出発した商船の船長であった光太夫。江戸時代は船の作りに規制もあって、安全面よりも幕府に逆らえない戦いのできない設計にしろとのお達しがあったんですよね。商船以外の用途になりうる帆は認められなかった。そのため船に乗ったら遭難してしまう人たちが多く、船乗りとは命がけ。大黒屋光太夫たちは商売用の積荷で食料があったから食い繋げられたものの、たどり着いたのは、なんとロシア。冬でなくとも雪が降る寒さ。そう、ナポレオン・ボナパルトすら敗北させたロシアの冬将軍を見てしまいます。

漂流地アムチトカ島での生活が始まりますが、大黒屋光太夫とその一行は、冬将軍にやられ、1人、また1人と仲間を失っていきます。そんな絶望の中でも希望を見失わなかった光太夫一行。何年も侘しい島での生活を強いられたものの、ロシア語を習得。言葉が出来ず適切な対応が出来なかったために仲間の命を失ったことを、彼らは身にしみて感じていたのですね。そして、アムチトカに数年に一度くる、夢にまでみた定期船が到着後すぐに難破。彼らは力を合わせて自ら船を造り、島を脱出します。伊勢へ帰る!と言う強い意志で仲間と団結して日本へ帰るつもりが、お次は広いロシアでたらい回しに。モスクワやペテルブルグよりもずっと寒いヤクーツクや、カムチャッカ、イルクーツクに行かされちゃうんです。私の特に行きたい場所は、ヤクーツクであり、イルクーツクなのは、大黒屋光太夫の影響です。

あ、こんなに熱く書き連ねておりますが、私まだ全くこの本を読んでいませんのであしからず。大黒屋光太夫については好きで好きでつい語り過ぎちゃうので、読書感想についてはまた後日!

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ワーニカ ②/ 新訳チェーホフ短編集

2017年6月に書きました。2年前の私より。

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沼野教授の解説にありますが、当時のロシアの識字率は29.7%、たとえば1万人居たら、およそ7千人は字が読めませんでした。

チェーホフ存命は、まだ帝政ロシアの時代。それこそ身分格差の社会で、教育は貴族だけの特権だったのでしょう。ロシアの名君エカテリーナ二世は、啓蒙思想にもとづく法治主義を表明して、それでもフランス革命は認めなかったことでも有名ですね。民のための政治と言えども、国民が王政を打破したことは、君主にとって許せないんですよね。池田理代子著・女帝エカテリーナに、こんなシーンがあります。「パン屋にパンを作る以外のことがわかるって言うの?靴屋に靴以外のことがわかるって言うの?」

私は、啓蒙思想とは、世のことを誰もがちゃんと考えられる知識を持ちましょう、と記憶しています。

啓蒙とは、「光で照らされること(蒙(くら)きを啓(あき)らむ)」自然の光(ラテン語: lumen naturale)を自ら用いて、超自然的な偏見を取り払い、人間本来の理性の自立を促すという意味。(Wikipediaより参照)

民主主義も、共産主義も、理想国家として目指す素晴らしい思想かもしれませんが、叶った先はまだまだ課題が山積みで、結局はどんな主義が良いかなんて、人が人である限り、難しいのかもしれませんね。結局、私たちの時代の先進国は資本主義に傾き、1人1人に与えられた生まれや運命を受け入れるには、個々の心が弱すぎると思うのです。

戯れで字を教わったワーニカ。心を誰かに届けるまでの知識は教えてもらえなかったワーニカ。彼の心を思いやろうとは誰も考えない世の中で、彼は、主張することをちゃんと知っていたのです。また今夜も「眠い」となってしまったので、また機会があれば、児童虐待の観点やドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」の”反逆”から、ワーニカについて書いてみたいと思います。

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ワーニカ① / 新訳チェーホフ短編集

2017年6月に書きました。2年前の私より。


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沼野教授の新訳チェーホフ短編集「ワーニカ」を読みました。10分で読めますと言われた通り、とても簡単に楽しく読めました。それでは私がまとめたあらすじを少々。

ワーリカは、田舎暮らしの少年でしたが、みなしごとなり、都会へ奉公に出されました。まだ小学3年生くらいの年齢です。奉公先では誰からも愛してもらえず、憎悪に満ち溢れ、とても寂しく、毎日怯えて暮らしています。児童虐待が日常茶飯事です。ワーニカは、田舎での温かかった暮らしを思い出します。そして田舎で学んだ知識や、都会で繋いだ僅かな知恵から切実な思いで、助けを叫ぶ手紙を書きました。

じいちゃん、すがれる人はじいちゃんしか居ないんだ、迎えに来て!おれの出来ることは何でもするから!

手紙をポストにさえ入れれば、必ずじいちゃんに届いて、おれを迎えに来てくれるんだ・・・

ワーニカは世間を知らずに、また前の生活に戻れると言う、期待と希望を持って甘い夢の中へと入っていきました。

※ ※ ※

沼野教授の解説を読んで、私の感想を。

ワーニカは、イワンと言う男の子のあだ名です。それをワーニカと呼ぶのは、相手を下に見ている表現だそうです。日本人に親しみやすく、イワン改め、ワン公・ワン助とありましたが、なるほど。昔、私が中国語の本を読んでいた頃、中国語圏内の年下男性に小○○と呼びかけたら、良くない表現だと教えられました。中国語では、「老先生」などと呼ぶことが尊敬の意味を表します。Mrs.Missくらいの感覚ではないんですよね。

ロシアに触れると、愛称はよく見かけます。アレクセイはアリョーシャ、アレクサンドルはサーシャ。
あだ名は一概には言えず、ワタナベ君が必ずナベちゃんって訳でもないようです。女性名・エリザヴェータには、神+誓いの意味があり、リーザとか、リゾーチカとか変えて呼びます。これは私の勝手な想像ですが、名が聖なるものとされているから、愛称もある程度の固定をするのでしょうか?ロシアには「名の日」と呼ばれる祝日があり、誕生日代わりに、名でお祝いするほど定番化されているようです。定番な名前をつけて、今日は恵子の日、おめでとう〜、じゃあ次の優子の日にもお祝いね。イメージは、1月は一郎、2月は二郎、3月は三郎の日?

再び想像を交えてしまいましたが、そんな背景がありまして、ロシア人の名前は、名前・父称・姓の3つで成り立っています。名前+父称が、一郎氏、三郎先生の表現を表すのだそうです。そりゃそうでしょう、例えばお役所に行って、名が花子さんで溢れていたら、山田花子さんだけじゃ限界があるでしょう。

名前について、私がまずイメージしたのは、ハリー・ジェームス・ポッターかなと。ハリー(名前)・ジェームス(ミドルネーム・父親の名前)・ポッター(名字)。ロシアではもっともっと、名前は深い意味を持つのでしょうが。ちなみに、イギリスに近いアイルランドでも父称をつかうそうです。女性表現では父称がちょっと変わります。ミハイロヴィッチが、ミハイロエヴナとか。

ウラジミール・レーニンは、レーニン先生?よく聞く名前だけれども、実際は、ウラジミール・イリイチ・ウリヤノフ・・・ネットで検索してみると、レーニンとは「レナ川の人」の意味で、ペンネームだそうです。ロシア革命の指導者レーニンは、指導者として前に立つことよりも主に執筆活動で精力的な指導を行ったと別の本で読みました。ペンネームか、納得。

名前について語るにも、まだまだ学び足りない私です。さて、名前だけ書いて寝る時間となってしまいましたので、また後日。

Спокойной ночи.

| Русская литература ロシア文学 | 12:15 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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眠い / 新訳チェーホフ短篇集


2017年6月に書きました。2年前の私より。

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早速本屋に行き、新訳チェーホフ短篇集を見つけました。



物語だけでなく解説もあるから、ロシア文学が重くて暗くて苦手な人でもこれなら読みやすい感じです。「眠い」を読みました。

主人公は13歳くらいの女の子で名前をワーリカと言います。奉公先の親父さんやおかみさんは、ワーリカが休むことを許しません。彼女はクタクタで目が半開き、眠くて眠くて、とうとう白昼夢を見始めます。幸せだった頃のこと、お父さんやお母さんに大切にされていたワーリカ。しかしすぐ現実に引き戻されます。いつも疲れて、眠くて、意識すら朦朧とする中、誰も手を差し伸べてくれない。眠りたい、眠りたい、眠りたいのに眠れない。

軽く読んだけど、私は今、眠くて眠くて・・

| Русская литература ロシア文学 | 23:43 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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ロシア文学の鬱蒼なる森を探索する

2017年6月に書きました。2年前の私より。

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よく行く図書館に掲示されていた、赤いポスター。



私は割とロシア文学が好きで、東京大学は家から近いし、面白そうだし、空いてる日だし、公開講座を聴きに行ってみました。



表題は「ロシア文学の鬱蒼なる森を探索する」。

ドフトエフスキー、トルストイは二本の大木(二大巨匠)、チェーホフは古くなった大木を土に還した(新しい形に蘇らせた)と締めくくり、実に文学者らしいお話でした。

二本の大木については皆様もご周知のことと存じますが、私はチェーホフなんて「かもめ」しか知らなかった…。それもタイトルを知ってる程度で読んだことない 笑

ご講義で、チェーホフの「ワーニカ」「眠い」などを取り上げられていましたが、こちらの作品は児童虐待をテーマに面白くかつ短く書き上げた作品だそう。

↓ 以下、ネタバレあり ↓

日本に児童文学として出版された時、「眠い」の締め、奉公先での子守や虐待に疲れ果て疲れ果て眠れず、少女はやがて理性すら失い、赤子を殺せば解決する!と考えるに至り、絞め殺して安堵し深い眠りにつく…。と怪談話風な悲劇のラストを抜かしてしまい、何の話だかわからない物語となっていたそう。

「ワーニカ」はわずか9歳の少年が両親が亡くなり奉公に出され、虐待や空腹で辛くて唯一の身内である田舎のじいちゃんに手紙を書きます。戯れで教わった読み書きで一生懸命書き上げますが、宛名は「村(田舎)のじいちゃんへ」もちろん届くことなく…。ロシア語では、「村(田舎)のじいちゃん」が「宛先不明」の意味を含めているそうです。

面白いお話を伺い、のちご講義をなされた沼野先生ともツーショット!



「あなた、何者ですか?」

そんなお言葉を、交わさず躱して、ソソクサと退散。今日も良き一日でした。



先生の訳書に、新訳チェーホフ短篇集がありますので、ぜひお読みください。10分程度で読めるとのこと。私、これから買いに行きます。笑

| Русская литература ロシア文学 | 07:18 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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