FC2ブログ

私とロシア Я и россия

東京ロシア語学院の学生です。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

ワーニカ ②/ 新訳チェーホフ短編集

2017年6月に書きました。2年前の私より。

---------------------------------------------------------------------

沼野教授の解説にありますが、当時のロシアの識字率は29.7%、たとえば1万人居たら、およそ7千人は字が読めませんでした。

チェーホフ存命は、まだ帝政ロシアの時代。それこそ身分格差の社会で、教育は貴族だけの特権だったのでしょう。ロシアの名君エカテリーナ二世は、啓蒙思想にもとづく法治主義を表明して、それでもフランス革命は認めなかったことでも有名ですね。民のための政治と言えども、国民が王政を打破したことは、君主にとって許せないんですよね。池田理代子著・女帝エカテリーナに、こんなシーンがあります。「パン屋にパンを作る以外のことがわかるって言うの?靴屋に靴以外のことがわかるって言うの?」

私は、啓蒙思想とは、世のことを誰もがちゃんと考えられる知識を持ちましょう、と記憶しています。

啓蒙とは、「光で照らされること(蒙(くら)きを啓(あき)らむ)」自然の光(ラテン語: lumen naturale)を自ら用いて、超自然的な偏見を取り払い、人間本来の理性の自立を促すという意味。(Wikipediaより参照)

民主主義も、共産主義も、理想国家として目指す素晴らしい思想かもしれませんが、叶った先はまだまだ課題が山積みで、結局はどんな主義が良いかなんて、人が人である限り、難しいのかもしれませんね。結局、私たちの時代の先進国は資本主義に傾き、1人1人に与えられた生まれや運命を受け入れるには、個々の心が弱すぎると思うのです。

戯れで字を教わったワーニカ。心を誰かに届けるまでの知識は教えてもらえなかったワーニカ。彼の心を思いやろうとは誰も考えない世の中で、彼は、主張することをちゃんと知っていたのです。また今夜も「眠い」となってしまったので、また機会があれば、児童虐待の観点やドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」の”反逆”から、ワーニカについて書いてみたいと思います。

| Русская литература ロシア文学 | 07:33 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

PREV | PAGE-SELECT | NEXT